無何有の郷 外伝 2004/03/19 Produced by shou1

 冬神捜索作戦 −発動− 2004年3月19日 12:48

昨年11月の降雪で始まった冬、小生とCRV号は
冬神の聖域を何度か訪ねた。
装備したスタットレスタイヤは、強力に作戦活動を
サポートしてくれた。
雪の古川、三寺参りの日、凍てついた町にほのかな
ろうそくが並ぶ夜。
森林公園にしんしんと降り積もる雪は、水墨画の風景を
見せる。
果てしなく広がる白銀の大地を飛弾せせらぎ街道が縫う。
その清烈なイメージは、小生の網膜から海馬に焼き付き、
今だに側頭葉記憶野に移動 しようとしないまま3月を
迎えた。もう冬が終る。
神の国へ帰り支度を急ぐ冬神を捜索し別れを告げる旅へ、
これより作戦を発動する。
霧ヶ峰、ビーナスライン、そして白馬へ。冬の源流に遡る。
いざ!。
 −仙丈ヶ岳− 2004年3月19日 16:36

中央高速道を諏訪湖を目指して行くと、次第に大展望が
開けてくる。
右手に南アルプス、仙丈ケ岳の白嶺。左には先ほどから、
手前の低山に隠れきれなくなった駒ヶ岳の巨体が、信じ
られない空の高さに銀色の輝きをちらつかせている。
駒ヶ岳SAの展望所で、みたらし団子を食べながら
南アルプスの白嶺を望む。仙丈ヶ岳、北岳・・・、イイ(^o^)。
 −諏訪宿− 2004年3月19日 18:39

岐阜から200キロ超。諏訪湖を見ている。
6500円で温泉、食事がよいと評判の宿、ホテル山王閣を
ゲット、人気でナカナカ空いてないらしい。
このあたりは既に太平洋高気圧の制圧下のようで、
冬は立ち去った後のようだ。しかし気温はかなり低い。
今から楽しみな下諏訪の温泉だ!(^_^)v。あす霧ヶ峰
では、はたして雪に逢えるだろうか?。
あれ、テレビのリモコンが利かない。
フロント呼びだー(^_^;。。
 −御柱祭− 2004年3月20日 6:46

そういえば、諏訪大社の祭りで大木に乗って坂を
滑り降りる祭りがあったな〜。
朝一は諏訪大社に行ってみよう、社が4ヶ所に別れて
いるらしい・・・。
 などと思いながら朝の温泉へ。噂には聴いたがここの
お湯は最高だ、お勧め度120%だねー(^_^)v。
宿のすぐ横が諏訪大社秋宮(アキミヤ)とフロントの
人のいいおいちゃん、この辺の人は気が荒くて
とんでもない祭りをすると苦笑しながら教えてくれた。
早速散歩。
 −禊− 2004年3月20日 10:41

下社秋宮(アキミヤ)、下社春宮(ハルミヤ)、上社本宮
(ホンミヤ)、上社前宮(マエミヤ)。少し気性が荒そうな
4つの社を回り、これから向かう冬神の聖域での無事を
頼む。 
例の御柱祭はなんと7年に一度の大祭らしく、今年は
準備が大変らしい。なんともロマンのある土地柄だ。
さてこれよりCRV号の機首を上げ、白く光る上空を
目指す。気温は低いがまだ冬神の気配はない。
 −発見− 2004年3月20日 12:32

ビーナスラインを行くこと1時間。
1100時、高度約1800m、白樺湖地点で冬神と遭遇。湖は
凍り小雪が舞う。なんだ、冬神様、元気じゃないか。
1130時、霧ヶ峰富士見台到着、案内の絵に中央、
南両アルプスの絵が壮大に描いてあるが、本物は
ガスの中で何も見えない(ToT)。
風景は真っ白、気温0℃。
1200時、霧ヶ峰から美ヶ原は冬季通行止め。仕方なく
諏訪の町へ降りる。
酒蔵“真澄”に立ち寄り酒を仕込む。ついでにお勧めの
そば屋を聞くと、待ってた顔で“登美”という店を教えて
くれる。
“登美”はなるほどイイ店で、高台から諏訪湖全景を
見下ろしながら腰のある麺をすする。(^o^)。
昼からは白馬への道を行く。
 −畏敬− 2004年3月20日 15:52

1550時、白馬から鬼無里(キナサ)へ抜ける峠でを
振り返ると白馬岳の白い山体。
隔てた距離と視覚が捕らえた巨大さのギャップが
畏れに近い感動を呼ぶ。
しばらく立ちすくむ。
白銀の巨大な大地の塊が視界の全てに広がる。
スゴイ・・・。
 −惜別− 2004年3月21日 8:57

昨日1630時、宿に着いて驚いた。その訳は、
1.すごい山深さ(@_@)!。延々1時間以上も走る林道は
次第に雪が深くなる。すれ違った車はたった1台!。
2.そのわりに昨年建て換わった綺麗な温泉施設(^_^)v。
事前情報では古びた国民宿舎だったが、昨年建て替え
られたらしい。出迎えるカウンターの方もうれしそうに
迎えてくれる。
3.携帯圏外!。昨年の濁河以来だ。仕事延長の電話
から完全解放(^o^)。
・・・ベランダに出て、50cmの残雪を見ながら銘酒真澄
を飲る。自分が何だったかを少し思い出した。
山肌は半分融雪して地肌も見える、冬神の旅支度は
大分進んだようだ。
今夜はじっくり別れを語ろう。霧ヶ峰では寒冷前線に
乗って、わざわざ会いに来てくれたしなー(^o^)。
さて、温泉!。メールは明日送信だ。  
 −帰路に立つ− 2004年3月21日 8:58

0840時、鬼無里荘を後にする。
昨夜は当地の地酒も手に入れて、一晩じっくり凍る空気の
音を聞いた。
ココは夏のツーリングに使ってもイイな〜。
これで暫く雪とはお別れ、帰ったらタイヤを夏用に
交換しよう。単身寮長の仕事も待っている。

 −冬N O,46去る− 2004年3月21日 14:32

探した冬神は、何とか待っていてくれた。作戦は成功、
ジックリと冬を感じてきた。
白馬・鬼無里の深い森は最高のランデブー地点、
出来ればまた待ち合わせたいものだ。
さて次の作戦に備え、CRVには夏タイヤを装備しよう。
1430時、約300km6時間の移動で岐阜長森基地へ
無事帰投。作戦は結了した。
小生の冬NO,46は、もうすぐ終わる。